子宮頸がんとは

子宮は妊娠したときに胎児を育てる器官で、子宮頸がんは子宮の入り口の子宮頸部と呼ばれる部分から発生します。 以前は40~50才台に多かったのですが、最近は20~40才台の患者さんが増えています。 そのピークは30才台であり出産年齢のピークと重なるため、妊娠出産に影響することが問題になっています。

 子宮頸がんは、ほとんどがヒトパピローマ ウイルス(HPV: human papilloma virus)の感染によりおこります。ごく初期のがんであれば子宮円錐切除術を行いますが、不妊症, 流産, 早産のリスクが高まります。 進行したがんの場合には子宮全体を摘出する手術が必要になり、妊娠することができなくなります。

国立がん研究センターがん情報サービスより改編

HPVワクチンの目的は、子宮頸がんを予防して子宮や命を守ること。

尖圭コンジローマを予防して将来の妊娠・出産に備え母子感染を予防することです。

対象となるのは

HPVワクチンの定期接種の対象者は、小学校6年~高校1年相当の女の子で公費により無料で接種を受けることができます。当院で公費により接種できるHPVワクチンはシルガード9® (9価HPVワクチン)とガーダシル® (4価HPVワクチン)です。シルガード9® については2023年4月より接種を開始します。

 これらのワクチンでは、子宮頸がんをおこしやすいタイプであるHPV16型,18型 (シルガード9® では更に31,33,45,52,58型) と尖圭コンジローマの原因となる6型,11型の感染を防ぐことができます。

キャッチアップ接種(救済処置としての追加接種)

 1997年4月2日~2006年4月1日生まれの女性で、HPVワクチンの定期接種を受けていない方は対象年齢を超過していても無料で接種を受けることができます。

期間は2022年4月から2025年3月までの3年間です。

接種のスケジュール

原則として同一のワクチンを使用して接種完了とすることとされています。

● シルガード9® (9価HPVワクチン)の場合

シルガード9® 通常3回接種ですが、次の条件の全てに当てはまる場合には、2回接種で完了とすることができます。

① ガーダシルとの交互接種ではなく、初回接種からシルガード9を使用した接種である ② 1回目の接種が、12才を迎える年度の初日から15才の誕生日までの間である ③ 2回目の接種が1回目の5ヶ月以降である

● ガーダシル® (4価HPVワクチン)の場合

3回接種を完了することで初めて十分な予防効果が得られます。

どちらのワクチンも3回接種を完了するには6ヶ月を要します。無料で接種を受けるには、すべての接種を公費接種対象期間中に終了する必要があります。

男子のワクチン接種

HPVは子宮頸がん,尖圭コンジローマの他に咽頭がん,外陰がん,肛門がん,膣がん,陰茎がんの原因ともなっており、HPVワクチンはこれらのがんの予防にも効果があります。

 HPVは性交渉が感染の原因となるため、男子がHPVワクチンを接種することは大切なパートナーを病気から守ることにもなります。 厚生労働省は2021年12月25日に9才以上の男性へのガーダシル® (4価HPVワクチン)接種を承認しました。 ご希望の方は電話にてご予約ください。(男性への接種は自費となります)詳細はこちら

HPVワクチンに関するQ&A

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 厚生労働省ホームページ(詳細はこちら

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